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富士吉田市・慶應義塾連携に関する対話型報告会を開催

2023年3月10日
社会・地域連携室

2023年3月6日（月）、ふじさんミュージアム（山梨県富士吉田市）の会議室において「富士吉田市・慶應義塾連携に関する対話型報告会」が開催されました。今年度は、2007年12月に慶應義塾と山梨県、富士吉田市との連携協定が結ばれてから、15年の節目に当たります。報告会には、富士吉田市から、堀内茂市長、堀内光一郎富士吉田商工会議所会頭、和光泰富士山三田会会長をはじめ、2011年度に始まったフィールドワークに在学中に参加し、卒業後は移住して地域振興事業に取り組んでいる、赤松智志合同会社OULO代表、斎藤和真NPOかえる舎代表理事、富士吉田市役所の関係者の皆様が出席されました。慶應義塾からは、岡田英史常任理事、共同研究・実践活動に携わっている総合政策学部　玉村雅敏教授、政策・メディア研究科の松橋崇史特任准教授、中島直人特任准教授、理工学部　小檜山雅之教授、社会・地域連携室職員および、現在フィールドワークを実践している学生が出席しました。

堀内茂市長からの開会挨拶では、地下水の保全と適正利用を進めるため、2010年に慶應義塾先端科学技術研究センター（故理工学部　鹿園直建名誉教授）に委託された調査研究の成果をもとに、年間約9,000 万tの良質な地下水の活用の具体化、ふるさと納税事業の活性化、空き家を活用したゲストハウスの開業運営、新世界乾杯通りの活性化などの事業成果に代表される若者の移住定住推進と市街地活性化を連動させた取組や、今では2万人を集客するハタオリマチフェスティバルなど地場産業振興事業の成功、さらにNPOかえる舎による地元高校生に対する郷土愛醸成事業など、全国的に注目されている富士吉田市の先進的な取組は、慶應義塾との連携なくしては成立していないと謝辞が述べられました。伊藤公平塾長はビデオメッセージで、「富士吉田市の地下水の年代や水質に関する調査研究」、「水を活かした富士吉田市と都市の新たな関係づくりに関する調査研究」、「富士山駅と富士信仰を活用した観光施策等調査研究」、ICTを活用したなど富士吉田市から未来を先導することを目指した地域づくりへの取組の特徴として、多くのSFCの学生が富士吉田市でのフィールドワークに参加したことを採り上げ、単なる調査研究に留まらず富士吉田市に魅力を感じた学生が卒業後に地域おこし協力隊などとして富士吉田市に移住し、地域振興のために事業を起こすことが成果に結びついたこと、そして近年では富士吉田市独自の教職員教務支援システム「あいシステム」の構築や拡張現実を用いた富士山火山ハザードマップの作成など最先端のICTを活用した連携にも広がっているとした上で、富士山世界遺産登録10年ともなるこの時期に連携事業の関係者が一同に会する貴重な機会が得られたことへの祝辞を寄せました。

共同研究・実績活動報告では、玉村雅敏教授進行の下、水越欣一富士吉田市企画部長による「15年間の慶應義塾大学連携と現在の富士吉田市」、松橋崇史特任准教授、赤松智志代表、斎藤和真代表理事による「富士吉田市に住み込むまちづくりの実践と協働」、中島直人特任准教授による「魅力ある街のデザインに関する共同での調査と実践」、小檜山雅之教授による「火山災害の事前対策促進に関する調査研究」の報告が行われました。

トークセッションでは岡田英史常任理事がコーディネーターを務め、闊達な意見交換が行われました。堀内光一郎会頭は、今までの素晴らしい成果を踏まえた次の15年に向けて、個別のプロジェクトへの取組だけでなく、複合的戦略による富士吉田での新たな価値創造や、慶應－富士吉田の2拠点研究・居住拠点として大学院生が利用することへの期待が述べられました。和光泰会長からは、学生と市民との信頼関係が構築された感動と感謝の15年の歴史であること、赤松智志代表から小さな成功の積み重ねが市民に受け入れられたこと、玉村雅敏教授は富士吉田の人々が培ってきた文化・実践の蓄積や地域のつながりに、慶應義塾の関係者も地域の一員としてともに活動をしてきたことで、富士吉田での成果はもとより日本や世界の未来に示唆をする成果を生み出してきているとの振り返り、富士吉田市地域協力隊としても活躍している総合政策学部の学生が、新たな「Z世代の風」を入れる決意を表明しました。最後に岡田常任理事が、富士吉田市と慶應義塾の15年間の連携事業は、慶應義塾としても成功事例として認識していると総括し、実り多い報告会が閉会しました。

集合写真

赤松智志合同会社OULO代表、斎藤和真NPOかえる舎代表理事による報告

理工学部　小檜山雅之教授による報告

トークセッション

左から岡田英史常任理事、堀内茂富士吉田市長、堀内光一郎富士吉田商工会議所会頭、和光泰富士山三田会会長